伝教大師最澄によって比叡山に開かれた天台宗は2006年に開宗1200年を迎えました。これを機に別冊太陽『比叡山』(平凡社刊)が記念事業の一環として発刊されることになり、延暦寺の全面協力のもと、全ての撮り下ろし撮影を担当する願いが叶いました。
企画から撮影に約一年半をかけ、主要な法要に密着し、回峯行では真夜中から完全同行撮影を敢行したほか、十二年籠山行、三年籠山行など、普段目にすることが少ない貴重な比叡山の『行』の撮影も叶いました。延暦寺のありのままのかたちをそのまま写真にすることに努めながら、『撮る』という行為が最澄の想いへの邂逅の過程であったと感じています。
この写真展から『祈る』という想いを感じでもらえれば幸いです。