この写真の製品はx-rite社の『COLOR Checker PASSPORT』という撮影の時に画面に写し込んでおいて現像時にホワイトバランスをとるための物です。しかし、私はホワイトバランスツールので白やグレーや黒をクリックして使うことはありません。何故かと言うとこの製品はアメリカ製なので瞳がブルーのアメリカ人の目を基準に作られているために(推測です)、クリックでホワイトバランスをとると少し青くなるためです。日本人の瞳はブラウンなので微妙にブルーアイの人とは白が違うのです。だから外国人のカラー写真はちょっと違うと私は思っています。また、カメラマンの先輩で白内障の手術を片目だけした人は右目と左目の色が微妙に違うと言ってました。ポジフィルムの時に使っていたゼラチンフィルターでいうと普通は使わない一番薄い0.25Y弱の僅かな違いだそうです。少年と老人でも経年変化で瞳の色が濁ってくるので、厳密な白が違うものかもしれません。そういうことを知っておくことも写真を撮るうえで大事なことかと考えています。

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