東北梅雨入り直前の6月の中旬に青森へアットホームタイム表紙の撮影に行きました。この仕事は事前の会議で撮影場所が何箇所か決まります。そこ以外に現地で私が絵になる場所を見つけたら自由に撮ってくる形態で仕事しています。一回だけ「全ておまかせ」というのもありました。

青森の表紙候補の優先順位が高かったのは奥入瀬渓谷と十和田湖でした。前日にアートディレクターさんとの電話打ち合わせでは「青森空港から十和田湖に向かいます」と行動予定報告をしてました。しかし、現地に着くと晴れ間が少しあったことと、十和田湖でメインの場所は午後の光線の方がいいのが解ったので、急遽『青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸』を撮ってから十和田に向かうことにしました。

現在、八甲田丸はその役割を終えて青森港に常時停泊しています。青森駅からも歩いていける場所にあり観光客の人気スポットになっていました。大学2年の時に山岳部の山行で同級生とふたりで知床山脈縦断に行った帰りに乗った青函連絡船を思い出しながら『哀愁』をテーマにシャターをきりました。大学生で知床の山にに行きたかったけどお金がなかったので、行きの交通費だけ持って、帰りは青函連絡船以外は全てヒッチハイクで大阪の実家まで帰りました。道内は乗用車を22台乗り継ぎ、本州ではトラック5台に乗った旅だった。

青森出張で、当初の予定どおりに最後の二日を青森港周辺の撮影のままだと曇りか雨だったので撮れてなかった写真が表紙になりました。